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20年も前、加治隆介が総理就任演説で改憲をぶち上げていたとは…汗

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今、日本は行使することの出来ない"集団的自衛権"を見直す時ではないでしょうか。"集団的自衛権"の行使と自衛隊の存在が憲法に違反するなら、当然その憲法を改正することを視野に入れなければなりません。平和は観念的に唱えているだけではやってきません。平和は現実的な対応があって初めて勝ち取ることが出来るのです。私の在任期間中に是非この問題にとりくんでゆきたいと思います

なんと20年前の総理就任演説

これはある政治家の総理大臣就任演説での一部です。安倍晋三と思った人が多かったのでは。もちろん違います。

いやいや、なんと加治隆介の記念すべき総理大臣就任演説です。弘兼憲司さんの『加治隆介の議』(1991年1号〜1998年 ミスターマガジン連載)最終巻だから今から20年も前。


弘兼さんはいろんな政治家を取材していたから、果たして参考になったのは誰だろうかと考えますね。

当時の総理は橋本龍太郎さんから小渕恵三さんに交代したあたり。もちろんこの2人は集団的自衛権行使や憲法改正など、絶対に触れませんでした。

小沢さんや細川さんの非自民連立政権が華々しくスタートした時代だった

連載が始まった直後、1993年は自民党から小沢一郎さんや武村正義さんのグループが離党。日本新党を立ち上げた細川護熙さんらと選挙に勝って、非自民の細川連立政権ができた頃だった。

加治らが新党を結成するなど、作品の流れもこの政治状況に大いに影響を受けていた。

少し補足すると弘兼さんは徳島出身の人気漫画家柴門ふみさんのご主人です。弘兼作品は社会性が高く、いつもストーリーに引き込まれますが、最高傑作を挙げろといえばやはり『加治隆介の議』を挙げたいですね。

商社マンだった主人公加治が大物政治家の父の事故死(謀殺だった)を受け、故郷鹿児島で衆院選に出馬へ。父の秘書も出馬し、地盤が割れ落選するも、直後に同一選挙区のライバルが急逝、繰り上げ当選で波乱万丈の政治家人生がスタートする(当時は中選挙区制)

"総理大臣になってください"は、愛人の遺言だった

新党結成し2期目で官房長官、確か4期目で総理大臣となりますが、一貫しているのは何ものにも決して迎合しない加治の信念だ(それが薩摩弁で議=理屈。タイトルに用いられた)

身体を張って父親の謀殺事件の調査をした商社マン時代の部下だった愛人、一ノ関鮎美が白血病で亡くなる時に記した『総理大臣になってください』という遺言に、突き動かされて総理を目指すのも、何とも人間臭いストーリーだった。

政治スタンスは別にして加治隆介のようなリーダーは欲しい

就任演説に戻るが、作者がこの作品をつくった思いは、まさにこの所信に凝縮されていた。

加治を応援しながらも、最後にこの憲法改正演説で、嫌になった読者もたくさんいたと思う。私も加治隆介どうした?との思いはあった。

私は弘兼さんが当時、特定の政治家に影響されたのではなく、やはりご自身の考えかただったと推察する。

顔はほとんど島耕作だった加治隆介


今の政界に加治隆介はひとりもいない。権力に迎合したり、強いものに尻尾をふるのが大半だ。

あとバッヂだけが目的で、選挙の度に右往左往する政治屋たちもお寒い限りだ。

保守のタカ派であれハト派であれ、社会主義者であれ、いかなる政治的立ち位置でも、ブレずに自分の『議』に忠実に生きる政治家が、一人でも輩出することを期待したい。

国家国民のために生き、清貧で理知的で洞察力のある政治家ならば、全てを委ねても構わないと思う。 今はいないけどね。

もりもと  なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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