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27回も千葉の高校に入学拒否され亡くなった、障がい持つ生徒の無念

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同じ教室で障がいの無い子もある子も学んでいたニュージーランド


昔、ニュージーランドの小学校を取材した時、クラスに重度の障がいのある子どももいたが、みんなと同じように普通に勉強していた。

そして休み時間がくると同級生がみんなでお世話をし、芝生を敷き詰めた気持ちの良いグラウンドで転げ回って遊んでいたのが印象的だった。
その子は目が見えなかったが、みんなが介助していた。

担任の先生に聞くとニュージーランドではどんな障がいがあっても学校やクラスは分けない。身体の不自由な子はクラスメイトが普通に介助するーとのことだった。

そして『介助する子もされる子も、互いにに得るものは大きいんです』とのことだった。

25回にも及ぶ定員割れ不合格は許しがたい対応だ

そしてこの千葉県でのニュースを知り、なんとも切なく、腹立たしい思いが続いている。
普通の千葉県の公立高校に進学したいと7年間も高校受験に挑戦してきた成田市の渡辺純さん(21)が昨年11月に亡くなった。

渡辺さんは生まれながらの能性マヒがあったが、小中学は成田市立の普通の学校に通った。
そして高校も公立高校を受けたが、ずっと定員割れにも関わらず"定員内不合格"にされてきたため、国や県に是正を求めてきた。

医療ケア必要なら対応できる態勢をなぜとれない?

純さんはたんを吸引する医療的ケアが必要だった。自力での移動が難しかったが、小中学校ではバギー型車椅子を使って通った。中学には看護師が巡回し、急な体調悪化に備えてもらった。

当時の担任教諭は『同級生も純さんと分け隔てなく接した。一緒に過ごすことで他の子の学びにもつながった』と、私がニュージーランドの学校で聞いたのと同じことを話している。

高校も当然、みんなと同じ普通の高校への進学を希望したが追加募集も含め27回受験、うち25回は定員割れだったが全て不合格とされた。

学校の前例主義がひとりの夢を踏み潰したことを知るべきだ

学校としては要介護者を受け入れる態勢にない。合格水準に達していなかったなどを理由にしてきたはずだが、千葉県教育委員会は受け入れる方向で検討したことがあったのだろうか。

中学ができて何故高校でできないのか。学校の体制が整ってないなら県教育委員会がなぜ渡辺さんを迎える努力をしなかったのか。

前例が無いなら前例をつくる。初めの一歩がなければ何も前に進まない。

高校の対応は完全に教育基本法の理念にも反しているのは明白だ。渡辺さんと同じ思いの生徒は全国にたくさんいるだろう。

純さんが受験した高校と千葉県教育委員会がひとりの障がいを持った生徒の希望に応える少しの努力をしていたらと、残念でならない。

もりもと  なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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