87才で普通に運転は不可能だ
東京都豊島区池袋で板橋区、元通産官僚で元クボタ副社長飯塚幸三(87)運転の乗用車が暴走し、はねられた母子2人が死亡、男女8人が重軽傷を負った事故で、飯塚は、平成29年の免許更新時に受けた認知機能検査で、記憶力や判断力に問題はないと判定されている。
しかしそれから2年、飯塚の認知機能は前回更新時と、果たして同じ状態だったのか。
なぜなら飯塚同様、問題なしと判定された75歳以上の高齢運転者による死亡事故が相次いでいるからだ。
認知機能低下の高齢者にも免許証交付する現状
高齢者の認知機能は急激に低下する現状を考えると、免許更新に3年間も開けて良いのか。毎年、更新手続きを義務付ける必要性に迫られているような気がする。
昨年、交通死亡事故を起こした75歳以上のドライバーは414人。
直近に認知機能検査を受検した人を調べたところ、約半数(49.2%)の204人が「認知症の恐れ」か「認知機能低下の恐れ」との判定を受けていたことが18日、警察庁の集計で分かった。
そして同年の受検者全体のうち認知症の恐れの人は5万4千人(2.5%)、認知機能低下の恐れは53万千人(24.5%)もいる。
しかし重大事故を起こした高齢者の方がその割合が高くなっており、明らかに認知機能の低下が事故に繋がっているようだ。
高齢者の免許更新、3年は開けすぎだ
80才を過ぎれば認知機能低下が急激に進む高齢者は多い。ましてや更新手続き時、「認知症の恐れ」か「認知機能低下の恐れ」ありの高齢者に、3年間も有効の免許証を交付をして良いものだろうか。
免許の更新を一律にすること自体、無理がある。優良ドライバーに5年間有効のゴールド免許を交付するなら、逆に75才以上は1年間などとすべき。
更新までの3年間に認知機能低下が始まる可能性は極めて高い。
これを放置するなら警察庁の責任は重大と言わざるを得ない。
アクセルとブレーキを踏み間違えたドライバーに殺される被害者はたまったものじゃない。
もりもと なおき