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40年前に私が書いたコラムを発見した。社会は何も変わってない

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一家心中事件は社会の苦悩を凝縮

子どもを道連れにした一家心中事件が後を絶たない。親からの虐待により殺害されている子どもたちは年間、50人余りもいるが、実際は無理心中で殺されている子どもたちの方が、遥かに多い。
親だけ死ぬ訳にはいかない。残す子どもたちが不憫だ。
そんな思いからの道連れだが、どんなに小さくとも、自分の子どもであっても、この世に生を受けた以上は親とは別人格。
親の所有物じゃないし、自分の人生を生きていく権利はある。

40年も前の私のコラム。社会は良くなったのか?

以下は私が若き新人記者時代、相次いだ一家心中事件の取材を通し、夕刊に書いたコラムです(1979年3月)

親子心中の現場を取材するのは悲しくやり切れない。先日の一家4人排ガス心中。遺体は死後2-3日経っていた。
一家の乗用車が県境にさしかかったときは、恐らく15日夜のことだろう。
ふるさとの街の灯りも見えたに違いない。灯の中まで帰って行けなかった心境があわれだ。
安らかに眠っていたであろう子供をみやりながら、夫婦は何を話し合い、どんなに苦悩したことか。
7日に徳島市内で起こった無理心中事件とは違い、妻が心中を同意していた様子なのでよけい悲しい。
『子供は親の所有物ではない』と、子を道連れにする日本的精神風土を批判するのはたやすい。
しかし残された子を幸福に育ててやれる国であるのか。
核家族化し親のめんどうさえみにくくなった社会。そして貧困きわまる福祉行政。子殺しに追い込むような社会的背景も考えよう。
病苦や失業の不安から弱者を解放することをまず急がねばならないのではないか。思いやりに満ちた社会づくりへの努力と並行し、『個』の尊厳の風土も育てられるのではないか。
議論をかわしながらもたまらなく気が重かった。(も)
もりもと なおき
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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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