平昌オリンピック女子カーリングで "LS北見" が見事銅メダルに輝いたことは、日本中を感動させ、再びカーリングブームにも火がついた。
全員が生まれも今も、同じ町
全員が生まれも今も、同じ町
選手全員が人口僅か12万人弱という北海道北見市の出身で、今も全員在住という超ローカルチーム。
それがオリンピックで銅メダルだから、驚いた。
そして体力のいる一流アスリートと思えない小柄で愛らしい選手たち。
彼女たちの試合中の方言丸出しのユルイやり取りも、まさにディスカバージャパン(古〜)だった。
通年型のカーリング場建設への決断
チームが毎日、練習してきたのは『北見市常呂町カーリングホール』
1988年、北見市に合併前の常呂町に全国で初めて建設された。
これは寒い冬場のみの施設だった。
そして2013年、市は夏場も可能な通年型の施設を建設した。6シート(コート)で国際基準。国際的な大会や全国大会にも使われてい
る。
計画が持ち上がった時、反対や批判の声もあった。
計画が持ち上がった時、反対や批判の声もあった。
総工費13億円で借金の償還は20年。当然、電気代だけでも莫大なランニングコストがかかる。
ただでさえ脆弱な市の財政の、大きなお荷物になるーというものだった。
本橋麻里さんがLS北見を立ち上げたのは8年前。恐らく毎日練習できるこの新しいカーリング場ができていなかったら、とてもオリンピック出場も叶わなかっただろう。
そしてこの孝行娘たちのお陰で、ホタテの養殖とハッカくらいしかなかった北見も今や全国区。暖かくなれば全国から視察や観光客が押し寄せるだろう。
ふるさと納税だけでも問い合わせが殺到しているという。ちなみにふるさと納税には"カーリング体験"も。昨年はゼロだったが、メダルを取った翌日は、4000人を超える問い合わせがあったとか。
新施設建設を決断したその時の市長や議会に、改めて敬意を表したい。
チームの表敬訪問を受け、北見市長は涙で言葉にならなかったが、いろんな思いがよぎったんだと思う。
本当のふるさと創生とは
チームが帰国し空港で会見した時の、吉田選手のことばは、本当に印象的だった。
「(出迎えた人たちに)この町は何もないよね。だから子どもの頃から夢を叶えるためには絶対、町を出ようと思ってた。でも都会ではダメだったけど、この町に帰ってきたら、夢が叶いました」
国や自治体が地域にカネをばらまくだけじゃ地方創生は成り立たない。
吉田選手のことばは本当に心に響いた。
もりもと なおき