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NZで知った福祉とは、みんなに不安のない将来を実感させること

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障がい者もみんなと一緒に普通に学ぶ小学校

私の理想の福祉社会の基本は、30年以上も前、ニュージーランドで体験したり見聞きしたことだ。ニュージーランドは南島、クライストチャーチ市の小学校の取材に行ったことがある。子どもたちの生活を見て、このまま大人になったらごく普通に福祉国家が存続するんだろうなと、感じた。

街中が美しい公園みたいだったクライストチャーチ市

 

エルムウッド小学校。エルムの森の学校。木の校舎、芝生が張り巡らせれた校庭。障がいを持った子も持ってない子も、普通に授業を受け、遊んでいた。
見学したクラスは車イスの子、目の不自由な子がいた。大きなテーブルをみんなで囲んで本を広げ、黒板を見る。目の不自由な子には横に座った子が読み聞かせたり、先生が黒板に書いたことを伝える。先生もしょっちゅう側に行き、話しかけていた。

互いに学ぶことの方が多い

休み時間がまたびっくり。目の不自由な子には手を繋ぎ、車イスは皆んなが押して校庭へ。ボールで遊んでいたが、同じように楽しむ。感心したのは必ず誰かが、2人の横に付き補助役となっていた。

先生に尋ねたら『別れて教育を受けるより、互いに学ぶことの方が遥かに得るものは大きい。もし障がいのある子とない子を別々に教育したら、互いの気持ちが分からない大人になるのでは?』と、言われた。

 

徹底したボランティア

高校などはまた特別な教育があるんだろうが、少なくとも子どもの頃からこうした教育をしているから、障がい者差別などはあり得ないことだった。
障がいを持つ人が休日、映画に行きたいとする。日時を決めておけば例外なく必ずボランティア2名が自宅まで迎えに行き、同行する。そこまでボランティアの考え方、システムは徹底していた。

 

この家庭あっての福祉を実感

私は滞在中、ホームステイをしたが、保険会社のサラリーマンのはずのオヤジが出社せず毎日、家にいる。『仕事に行かなくて大丈夫?』と尋ねたら、『わが家の今の最大イベントはナオキ(私)がいること。それが最優先だから滞在中は会社は休みだ』と。

ミニクーパーでいろんなところへ連れて行ってもらったが、家ではオヤジがペンキ塗りをし、奥さんがデカいオーブンでパイやケーキを焼く。絵に描いたような外国の家庭だった。

近所に母子家庭の家があり遊びに行ったが、お母さんは何も仕事はしていない。今は子どもを育てることが、最優先だからと。生活費は十分、国から保障されていた。だから離婚前と生活水準は全く変わらないとのことだった。

家庭、教育、どんな環境の人にも不安のない将来をつくる、やはりこれが福祉の基本だ。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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