小さな命を救うための活動は行政より市民が主体
行政によって殺処分された犬と猫は16年度は合わせて55998匹でうち猫が45574匹。犬の4.5倍になっている。殺されるためだけに生まれてくるような小さな命があまりにも多く、本当に胸が痛む。飼い猫はオスもメスも必ず不妊手術をする。それだけでも不幸な猫は激減する。
あとTNRと地域ネコ活動が進められているが、地域の人たちの温かい協力が不可欠。TNRとはノラネコを捕獲(Tトラップ)し、不妊手術手術(Nニューター)をし、また地域に返してあげる(Rリターン)活動。
獣医師による不妊手術には当然、経費もかかるため行政の予算もあるが、とてもじゃないが賄えないのが現状。個人で私費を投じTNR活動を行う人も多く、みんな予算的に困窮している。行政のさらなる理解が必要だ。
大変な苦労しながらこれらの活動をしている友人にTさんという主婦の方がいる。以前、彼女がFBに投稿していた記事をお借りし、その苦労と活動の意義を多くの皆さんに理解いただきたいと考えます。
以下、Tさんの投稿です(ごく一部、手をいれさせていただきました)
怖がらず、TNR活動に取り組んで欲しい
野良猫の問題は、普段から近隣住民と良い人間関係を築いておけばトラブルが起きにくく、地域猫化し易いといわるる。いや、残念だがそう単純ではない。そうしておく方が良いという程度かも(勿論、争ってはダメだが)。
TNRや地域猫活動を何度もした人なら解ると思うが、どんなに誠実に訴えても、元々頑として反対する人は簡単に変わってくれない。きちんと考えていただける人は、活動をすぐに理解してくれる。しかし良好な人間関係も問題が起きれば崩れるから、難しい。
だから無駄、と言いたいのではない。すんなり進む地域もあるので怖がらずにTNR等に取り組んでほしい。それによって小さな命を救うことができる。やらなければ悲惨な子猫が増えるという事を忘れないでほしい。
そして地域環境も改善して欲しい。良好だと思う人間関係を信じてまともに頑張ってしまうと、自分が傷つき、心の病気になる事があるーということも。私もそうだった。
不幸な野良猫をたくさん見てきたから「野良猫との共生のために」という言葉は好きになれない。共生よりも、野良猫を生み出さない対策・不妊化手術を怠り、子猫を遺棄し続ける飼い主の方にも目を向ける世の中になって欲しいと思う。
とにかく毎年、少しづつでも行政に殺されるネコが減ってきたのは、Tさんのようにこうして人知れず頑張っている人たちの力だ。行政がくだらない公共事業費をほんの少しだけ減らしTNRに回したら、小さな命がどれだけ救われるか。
もりもと なおき