皆んなが皆んな、嬉しい訳じゃなかった
新天皇の即位に伴い今年のゴールデンウイーク(4月27日~5月6日)は特別法により、ことしだけ10連休となることが決まっている。
サラリーマンや子供たちにとって嬉しい長期休暇だし、旅行業者にとっても大忙し。観光地のサービス業者は休む間もないが、商売繁昌で当然、大歓迎だ。
しかしふと思ったのは日給や時給で働いている非正規雇用の人たちだ。
サービス業は逆に嬉しい悲鳴だが、企業や役所は完全休暇。その間、収入はない。
例年、GWは諦めてはいてもことしはさらに休みが増え、その分、生活はキツくなる。
こうした非正規の人たちにとって、改めて正規雇用との格差を痛感することになることしのGWだ。
非正規雇用の生活に目を向けた政治がない
旅行サイト大手エクスペディア・ジャパンが昨年秋、20~50代の社会人経験のある男女を対象に、10連休の意識調査を実施した。
それによると「うれしい」としたのは54%で、「うれしくない」の46%と回答が分かれた。
「うれしくない」との回答の多さに驚いたが、そのように答えたのは「医師・弁護士・会計士などの専門家」や「主婦・主夫」、「パート・アルバイト」が多かった。
政府も当然、祝賀ムードを盛り上げるために特別法で10連休としたんだろうが、政治が弱者に向いていないひとつの表れのような気がした。
わが国の非正規雇用はすでに40%を超え、この中には母子家庭もたくさんある。何か思いを寄せる施策も合わせてできなかったものか。
もりもと なおき